【外資コンサルタントが語る】ケース面接対策①[売上拡大策編]

2022年1月24日

皆さんこんにちは!就活ジョブジョブのジョブ兄です。

今回は、コンサルティング業界を志望するなら避けては通れない「ケース面接」について解説します。

ケース面接とは、主にコンサルティング業界で出題されることが多い出題形式です。難易度が高く、苦手意識を持っている人も多いのが現実です。特に、コンサルティング業界を志望したばかりの方はどのように対策したらいいか分からないのではないでしょうか?

本記事では、ケース面接でもよく出題される「売上拡大問題」について、例題付きで解説していきます。

選考突破難易度が高いケース面接のポイントを押さえ、コンサルティングファームの内定をつかみ取りましょう。

以下の記事では、ケース面接の評価ポイントと出題例について解説しています。こちらもぜひご覧ください。

ケース面接とは

ケース面接とは

ケース面接とは、与えられた問いに対して制限時間内に解決策を提案する面接のことです。

実際にコンサルティングの現場で取り組むような経営課題から出題されることが多く、就活生が現場で活躍出来るかどうかをこのケース面接で評価しています。

フェルミ推定とケース面接の違い

よくケース面接と一緒に語られるのが「フェルミ推定」というものです。聞いたことある方もいるのではないでしょうか。

フェルミ推定もケース面接と同様、コンサルティング業界の就活において出題されることがある選考形式ですが、ケース面接とは少し違います。具体的に以下の2つの例を見てみましょう。

<フェルミ推定の例>

「日本にある電柱の数はどれくらいか?」

「1日に東京で電車に乗る人数は?」

<ケース面接の例>

「Aカフェ店の売上を6か月間で2倍にするにはどうすればいいか?」

「B社が海外市場において1億円の売上を達成できるサービスを考えよ」

フェルミ推定の例ではどちらも「数値」について問われている一方、ケース面接の例では「戦略」について問われています。

つまり、フェルミ推定では限られた情報の中から数値を推定することを求められているのに対し、ケース面接では数値の推定だけにとどまらず、課題の解決を求められているのです。

本記事では、「ケース面接」について詳しく解説していきます。

ケース面接の流れ

では、ケース面接はどのような流れで進んでいくのでしょうか。

ケース面接は、以下の流れで行われます。

1.面接官から課題を与えられる

最初に、面接官から課題を与えられます

ここで制限時間やスマホを使用していいか等の指示もされますので、しっかりと聞いておきましょう。

2.回答作成(15~30分程度)

課題に対する解答を作成し、発表の準備をします。

面接官が席を外す場合と、面接官の前で行う場合の両方があります。

3.発表&質疑応答

解答を発表し、面接官からの質問に答えます

口頭で行う場合もあれば、紙やホワイトボードを使って説明する場合もあります。

実際の出題例と解説:売上拡大策

ケース面接にも様々なパターンがあります。

今回は、「企業の売上を拡大させるケース」について、例題付きで解説していきます。

売上拡大策の例題

<例題>

ターミナル駅前にあるカフェの売上を1.5倍にしてください

(前提条件)
・営業時間は7:00-20:00
・店の座席数は30席

本記事では、「駅前のカフェの売上を1.5倍にする」という問題を取り上げます。

ケース面接の中では最も基本的で頻出の問題であり、解き方のポイントを押さえてしまえば様々なパターンに応用できます。

売上拡大問題の解説

売上拡大問題の解き方

売上拡大問題では、上記の4ステップに分けて考え、発表しましょう。

構成が論理的であるため解答を考えやすくなるだけでなく、受け手にも伝わりやすくなるため、面接官に好印象を与えることが出来ます。

以下では、上記4ステップに分けて解説していきます。

前提/目標の整理

まず、問題の前提と目標を整理します。

今回は、「駅前のカフェの売上を1.5倍にする」ことが求められています。
問題文が短く、これ以上整理することは難しいと考えがちですが、「何が示されている情報か」「示されていない情報は何か」という観点を意識して前提や目標を分解します。

目標

●売上を1.5倍にすること
●目標期間は示されていない

前提

●業種:飲食店(カフェ)
●立地:ターミナル駅前
●営業時間:7:00-20:00
●座席数:30席
●客単価は示されていない
●現在の売上は示されていない
●直近の売上推移は示されていない

売上の推定

次に、目標を達成するための戦略を考えます。
今回の目標は「売上を1.5倍にする」ことです。

ここで闇雲に売上を増加させる戦略を考えるのではなく、要素を分解して戦略を立てることが大切です。

売上拡大問題では、必ずと言っていいほど次の分解をします。

ケース面接の解き方のポイント

売上は、顧客数と平均客単価との掛け算に分解できます
さらに、顧客数は(座席数)×(1時間当たり回転率)×(時間)に分解でき、より詳細に分析することが出来ます。
ここで、今回は問題文に数値が示されているため、フェルミ推定を用いてより詳細に考えます

まず、このカフェは朝の7時から夜の8時まで営業しており、ターミナル駅前に立地しています。
そのため、朝の時間帯は通勤前の会社員でにぎわい、午前中にはやや客足が遠のき、昼過ぎには主婦(夫)がティータイムを楽しみ、夕方から夜は学生が集まって勉強やゲームをしていると想定します。
また、会社員は飲み物を一杯だけ飲み短時間で店を出ますが、主婦(夫)や学生は会話を楽しむためやや長時間滞在すると推定できます。
さらに、主婦(夫)は飲み物以外にケーキ等も注文しますが、時間の無い会社員やお金が無い学生は飲み物しか注文しないでしょう。

以上の情報をまとめると、

  • :顧客数  客単価 
  • 午前:顧客数  客単価 
  • 昼過ぎ:顧客数  客単価 
  • 夕方~夜:顧客数  客単価 

となります。

この情報に、具体的な数値を加えて推定します。
カフェの座席は30席で、ピーク時には1時間あたり2回転、午前は0.5回転、それ以降は1回転するとします。
また、客単価は問題文に示されていませんが、コーヒー1杯500円・プラスで注文するケーキ等が500円程度と考えるのが妥当でしょう。

これらをもとに、時間帯別の売上を計算すると以下のようになります。

  • 7:00-9:00(朝)30席×2回転×2時間×500円=60,000円
  • 9:00-13:00(午前)30席×0.5回転×4時間×500円=30,000円
  • 13:00-16:00(昼過ぎ)30席×1回転×3時間×1,000円=90,000円
  • 16:00-20:00(夕方~夜)30席×1回転×4時間×500円=60,000円

上記より、1日の売上は24万円と推定出来ました。

戦略策定

上記の売上を1.5倍にするために、各時間帯において戦略を考えます

  • 7:00-9:00(朝)→ 回転率は十分。会社員は比較的金銭面の余裕があるため、単価の高いコーヒーを増やして客単価を上げる
  • 9:00-13:00(午前)→ 来店者数が最も少ない。この時間帯限定で全商品10%オフとすることで集客率を上げ、1時間あたり1.5回転を目指す
  • 13:00-16:00(昼過ぎ)→ 客単価は十分。時間制限を設けることで顧客の長時間滞在を防ぐとともに、駅に広告を出すことで顧客認知度を上げ、回転率を上げる
  • 16:00-20:00(夕方~夜)→ ターゲット層である学生の客単価を上げることは難しいため、昼過ぎと同様の戦略で回転率の上昇を図る

実行・成果

次に、上記の戦略を実行した際の効果を推定します。

先ほどの戦略を基に、具体的な数値を用いて効果を推定しましょう。

  • 7:00-9:00(朝)→ 700円のコーヒーを用意し、顧客の30%がシフトしたとすると、客単価は500×0.7+700×0.3=560円
    朝の売上は、30席×2回転×2時間×560円=67,200円
  • 9:00-13:00(午前)→商品を10%オフにし、回転率が1.5回転になったとする。
    午前の売上は、30席×1.5回転×4時間×450円= 81,000円
  • 13:00-16:00(昼過ぎ)→時間制限と広告により、回転率が1.5回転になったとする。
    昼過ぎの売上げは、30席×1.5回転×3時間×1,000円=135,000円
  • 16:00-20:00(夕方~夜)→時間制限と広告により、回転率が1.5回転になったとする。
    昼過ぎの売上は、30席×1.5回転×4時間×500円=90,000円

上記を合計すると、1日の売上は373,200円まで増加しました。

現在の売上は24万円であり、売上が約1.56倍増加しました。
目標である1.5倍を上回ったため、今回の戦略は効果があることが分かりました。

まとめ

最後まで読んでくださりありがとうございました!

今回は、コンサルティングファームの就活で避けては通れない「ケース面接」のうち、「売上を拡大させる」問題について解説しました。

コンサルティングファームのケース面接は、採用フローの中でも最も通過率が低いと言われている難関ステップです。

すぐに対策が完了するものではありませんが、後悔のない就職活動を行うために、この記事を参考にしてぜひ頑張ってください。

本記事の内容が、少しでも皆さんの就職活動をより良いものにできたら幸いです。

皆さんの就職活動を応援しております。